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いまむら養殖有限会社(今村さんちのうなぎ)

今村さん兄弟

品目:うなぎ
住所:鹿児島県指宿市山川町浜児ヶ水(はまちょがみず)

指宿の天然温泉水で育つうなぎ。
養殖池の概観

南九州を代表する温泉地・鹿児島県指宿市。海に臨み、山川地区に養まん場を構える今村寛信(ひろのぶ)さんと法人(のりと)さんは『今村さんちのうなぎ』の生産者。兄弟で力を合わせ、温泉水を利用したうなぎの成育に取り組んでいます。

 

見える安心!『食の履歴書』

品目:うなぎ蒲焼
出荷:通年

 

動画で養殖池や工場の様子を見てみる。 コープ九州生産情報ビデオシリーズ「今村さんちのうなぎ蒲焼」

込められた思いがある!『人と商品のプロフィール』

うなぎが育ちやすいよう、水温は細かく調整。

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お父様が30年前に始めたうなぎの養殖業。これを受け継いだ今村寛信さんは20年前に現在の土地へ養まん場を移転。10年ほど前からは弟・法人(ルビ:のりと)さんと協力して『今村さんちのうなぎ』を生産しています。
うなぎの養殖はシラスと呼ばれる稚魚の成育から始まります。今村さんは薩摩半島のシラス専門の管理組合や、和歌山県など他県の組合からシラスを入荷。現在は全養殖池で45万5000匹のうなぎを養殖中です。
ビニールハウスで覆われた養殖池には、地下から汲み上げた温泉水を注水。水を循環させながら総量の2~3割を毎日入れ替えています。シラスの成育期間は12月から4月にかけて。その間の水温は30~32度が最適です。シラスから成魚になると夏場は32度、冬場は28度とさらに細かい水温調整が必要に。今村さんはハウス内の換気や温泉水の量の調整を行ない、水温やハウス内の室温をできるだけ一定に保っています。

 

「この土地の温泉水はシラスを育てる環境としては良い水なのですが、成魚を育てるには難しい。成育しているうちに次第にアンモニアや亜硝酸の数値が整い、育ちやすい水になっていくんです」と今村さん。透き通った水ではうなぎが落ち着かないため、池には炭を加えて透明度を抑え、自然の川に近い状態を作ることも。この炭には川魚独特の泥臭さを消す効果もあり、臭みのないおいしさにつながるポイントでもあるのです。

 

シラスの状態に合わせ、毎年変わる養殖方法。

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エサをやるのは、生後40~60日までのシラスなら1日に2回、60日以降は1日に1回。魚粉、デンプン、大豆カスとウコンなどの漢方にビタミンA・Eを混ぜたものを与えます。飼料に漢方を混ぜるのは、うなぎの体表を覆うぬめりを出しやすくして、病気を遠ざける働きを強くするためです。
うなぎの主な病気には、ウイルス性によるエラの病気と、肝臓の病気があります。肝臓の病気は抗生物質で治すことができますが、エラの病気には処方薬がなく、水温を上げたり塩を入れたりしてウイルスの広がりを抑えなければなりません。ストレスを感じたうなぎは食欲が落ちて成長が遅く、病気にかかりやすくなるのだそう。病気を予防するためにも、うなぎがストレスなく育つ環境を整えることがいちばん大事です。

 

「うなぎの養殖は仕入れたシラスの状態によって少しずつ異なります。毎年のシラスが1年生だから、私たちもいつも生産者1年生。これまでの経験をもとに、その年のシラスに合った養殖方法を考えます」と今村さんは語ります。その養殖方法も池がある土地によって異なるのだそうです。「自分たちは自分たちで、長年かけてうちの池に最適な成育方法を見つけてきました。うなぎの健康状態には常に気をくばっており、おいしさにも自信があります。ぜひたくさんの方に召し上がっていただきたいですね」。

 

生産者と加工場、一心同体で良い商品を。

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今村さんが育てたうなぎは、同じ指宿市内にある加工会社「大新」で加工されます。今村さんが大新にうなぎを出荷し始めて約5年、現在その数はひと月に平均して5~7トンになります。
「大新」で扱ううなぎは国内で養殖されたもののみ。代表取締役の中村智さんは「かつて価格の安い外国産のうなぎが多く出回っていた頃、それより割高な国内産うなぎは需要が落ち込み、廃業する養まん場も多かったんです」と語ります。
国内の養まん場を残したいという思いから、中村さんは国産にこだわったうなぎの加工会社を起業。現在は1日に3万匹のうなぎを加工しています。工場内の床・壁・天井には抗菌効果のある建材を使用。工場内の洗浄や衛生管理では80以上のチェック項目を設け、その記録を保管しています。「“安心”は消費者のみなさんが感じるもの。それを伝えるのは難しいですが、“安全”はお届けすることができる。だから工場内の安全管理は人任せにせず自分たちの手で徹底しているんです。また、今村さんたち生産者と私たちは“一心同体”の関係。互いに助け合い、自信を持って提供できる商品を作っています」。
ふっくらと香ばしい『今村さんちのうなぎ』。程よい食感も魅力のひとつです。みなさん、ぜひお召し上がりください。

 

コープかごしま職員の報告より

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● 前々から一度は行って見たかったところです。平均25℃~30℃の温泉、(気のせいか、温泉につかって気持ち良さそうな鰻のように見えました)泥くささを取るために「炭」の使用、病気が発生しても薬品等使わず「塩」を使う。安心して食べられる鰻を365日育てていらっしゃる今村さんにお会いし、商品の良さをあらためて実感しました。
●生産者が丹精込めて育てたうなぎを、清潔で管理が行き届いた工場で製品化していました。「多くの組合員さんに、安心して美味しいうなぎを食べてもらいたい」という気持ちがよく伝わってきました。生協が自信をもっておすすめできる商品です。ぜひご利用ください。
●恵まれた環境の中、たった0.2gほどだった小さいシラスが大事に育てられ、一人前?のうなぎになって、泥臭さを少なくする工夫をした池のなかで、今村さんが朝早くからつくったえさを食べ、気持ちよさそうに寝ていました。加工はクルマで20分くらいの「大新」の新しく清潔な工場で。1日から2日餌断ちし、泥臭さを抜き、捌き・白焼き・タレ焼を経て急速冷凍し、選別・箱詰めされ産直センターで包装されます。育てるところから、1尾1尾ずつ丁寧に蒲焼にされる工程まで、たくさんの人が想いをもって関わっている様子を目の当たりにし、自信をもっておすすめできると実感しました。

 

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